漫画作成依頼時の失敗②
「漫画家さんとトラブルに発展」column
弊社には1,500名以上の漫画家さんが登録していただいており、これまで数多くの漫画家さんと一緒に漫画を作ってきました。
しかし過去には、漫画家さんとトラブルになりクレームに発展してしまったり、制作が途中でストップしてしまうという失敗をしたこともあります。
そのような失敗に至ってしまった要因の一つとして、依頼主側のディレクション力も影響していると考えています。そこで今ではディレクションにおけるマニュアルやルールを策定して、漫画家さんとの間で誤解が発生しづらい環境を整えています。
この記事では過去の経験から漫画家さんとのトラブルを未然に防ぐための考え方ややるべきことを4つ紹介します。
1.漫画家さんはパートナーである
漫画家さんがいなければ漫画を作成することはできません。
漫画家さんに漫画を描いてもらうことはもちろんですが、漫画の構成についてアドバイスをいただいたり、より良い演出を提案してもらったり、時にはスケジュールを調整してもらったり、何度も修正をしてもらうこともあります。
だから私たちは漫画家さんを一緒に漫画を創り上げていくパートナーであると考え、リスペクトする気持ちで常にお仕事をさせていただいています。
そのような気持ちで依頼させてもらうことで、もしトラブルに発展してしまっても、解決に向けて前向きに話し合うことができます。次に同じようなトラブルが発生しないように対策を打つこともでき、良好な関係性を保つことに繋がると考えています。
2.スケジュールを作成する
依頼主「社内での確認が遅れてしまった」
漫画家「他の案件もあるので遅れた日数分、納品日を後ろ倒しにしてもらいたい」
依頼主「後ろ倒しにはできない」
漫画家「修正内容を確認したが、修正が多く3日後に提出します」
依頼主「それでは納品日に間に合わないので困ります」
漫画制作を行う上でこのような事態になることは珍しくはありません。納期に間に合わないことでトラブルに発展するケースは多くなります。
そのリスクを抑えるためにスケジュール作成が必須になります。
いつまでに漫画を作成するのか、確認に要する日数、修正に要する日数を事前に決めて、それ基にスケジュールを作成します。
しかし、作ったスケジュール通りに進まずに、結局納期に間に合わないというケースもあります。
「スケジュール通りに進まない」という失敗自体よくあることなので、その失敗を防ぐための記事も用意しました。参考にしてみてください。
3.修正対応について決める
コマ割りの修正、セリフの修正、登場人物の修正、背景の修正、色の修正など、漫画制作では様々な修正が発生します。
しかし修正の量と内容によっては漫画家さんとの間でトラブルに発展することがあります。
・シナリオがガラッと変わり漫画の描き直しが発生
・修正日数がスケジュールに考慮されていない
・何度も修正が発生する
・ペン入れ着色後にも関わらず絵やコマ割りの修正が入り、描き直しが発生
・修正費用が支払えない
修正におけるトラブルを防ぐためには、修正対応について事前に決めておくことが大切です。
たとえば下記のような対策と取り決めをしておきます。
修正対応における対策と取り決めの例
〇修正日数をスケジュールの中に組み込んでおく
ラフの修正は3日間、着色後のセリフ修正は2日間のように事前に修正日数をスケジュールに組み込んでおきます。もちろん修正が少なければ納期が短縮されます。
〇修正のタイミングと内容を決めておく
たとえば、ラフ段階ではシナリオ・コマ割り・セリフの修正対応をしてもらう。ペン入れ後はセリフのみ修正対応をしてもらう。着色後はセリフと色味の修正対応のみをしてもらう。
このようにどの制作段階で修正対応をしてもらうかを事前に決めておきます。
〇修正費用が発生する範囲を事前に決めておく
漫画制作費に含まれる修正内容と、その範囲を越え修正費用が発生する内容を決めておきます。
たとえば…
・ラフ段階でシナリオが別のものに変わって全て描き直しになったら修正費用が発生する。
・部分的なシナリオ修正やコマ割りの変更は漫画制作費内で対応してもらう。
・ペン入れ着色後のコマ割りの変更は修正費用が発生する。
・ペン入れ着色後のセリフと色味の修正は漫画制作費内で対応してもらう。
このように修正費用が発生するケースを事前に決めておくことで、修正が発生してもトラブルに発展することなくスムーズに制作を進めることができます。
また、修正対応の範囲内であっても、修正回数が明らかに多すぎる場合は、修正費用を支払うなど臨機応変に対応すると良いでしょう。
4.契約を締結する
企業として漫画作成を依頼する場合は、契約書を交わすことが大切です。
契約書を交わす理由は下記のような目的があるからです。
1.漫画の権利が誰に帰属するかを明確にします。所有権や著作権などを保護します。
2.漫画作成を依頼する上で、その対価を支払うことも重要です。いつどのように支払うのかを明確にします。
3.より漫画作成が円滑に進むように、発注内容の変更における取り決めや納入における認識を明確にします。
4.契約解除やトラブルが生じた場合に、問題解決を図るための手段を明確にします。
契約書を交わすことで、漫画作成途中や漫画完成後にトラブルに発展するリスクを抑え、万が一トラブルが発生した場合でも、対応がスムーズになります。
また、契約を結ぶことでプロ意識と責任を持って仕事を遂行することができ、それはお互いの信頼関係にも影響します。
まとめ
1.漫画家さんをリスペクトする気持ちで、漫画を一緒に創り上げるパートナーとして依頼をする
2.スケジュールを作成して漫画家さんに共有し、お互いスケジュールを守る意識を持って漫画を作り始める
3.修正対応してもらう範囲を決めて、その範囲を越えたら修正費用を支払う
4.契約書を交わし、お互い信頼感を持って漫画を創り上げる
以上、4つのトラブルを防ぐ方法を紹介しましたが、大切なのは漫画家さんとの関係性だと思います。
漫画制作では大きな修正が発生したり、納期が短縮したりと不測の事態が発生することがあります。漫画家さんに助けてもらわなければどうにもならないケースもあります。弊社は何度もそのような場面で漫画家さんに助けてもらっています。
逆に漫画家さんから提出が間に合わないなどの相談をされることもあります。助けられている分、弊社もスケジュールを調整するように努めます。
不測の事態もお互い協力し合って乗り越えることができる関係性を構築できたら、トラブルは激減すると思います。
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